界面活性剤は悪なのか?
ケミカルフリー とは
少し前に、 界面活性剤 について研究している方から話を聞く機会があり、興味からスキンケアを手作りするようになりました。
界面活性剤 =ケミカル=悪としてる記事を多く見かけます。
ケミカルとは 科学的な という意味で、スキンケアでは合成成分のことを指すようです。
合成成分入りのスキンケアを止めることを、 脱ケミ・ケミカル絶ち などと呼び、ノンケミカル・ケミカルフリーという謳い文句の商品もよく見かけるようになりました。
脱ケミの主な目的として以下があげられます。
・アトピーや敏感肌など肌トラブルがある
・小さい子供のいるご家庭
・犬や猫などのペットのいるご家庭
・お財布にやさしい生活がしたい
・肌によさそう
情報に信頼性のある企業の引用や動画も紹介していきますので、スキンケア選びの参考になればと思います。
界面活性剤は悪ではない!
界面活性剤界が肌のバリア機能を壊すとか、界面活性剤不使用= ケミカルフリー と表記されている記事がたくさんありますが、界面活性剤の全てに毒性があるわけではありません!
合成界面活性剤のことを指しているんだと思いますが…。
界面活性剤は、下記のような特徴があり、幅広い商品に配合されています。
- 水と油という本来混ざらないものを混ぜる作用(乳化)
- 汚れを落とす作用
天然の界面活性剤
ドレッシングは、2層に分離してるタイプと、混ざり合っている クリーミー な タイプをみたことがあると思います。
混ざり合っているタイプは、乳化作用のある牛乳や卵が入っているので水と油が混ざっているのです。
牛乳に含まれるガゼイン、卵の黄身に含まれるレシチンは、天然の界面活性剤なのです。
私たちの身の回りにも天然の界面活性剤があります。身近な食材で言えば卵黄に含まれる卵黄レシチン、大豆に含まれる大豆レシチンは食品の乳化剤として使われています。
引用元: 天然の界面活性剤もあるの? 石鹸百科より
水と油を攪拌して混じりあってる状態も乳化というようですが、界面活性剤がなければ時間が経つとまた分離します。
人間の界面活性剤
天然のクリームとも呼ばれる人間の肌表面にある皮脂膜は、皮脂(油)と汗(水)などが混じりあったのものです。
つまり人間の肌にも生物由来の界面活性剤があり、乳化して皮脂膜が作られているのです。
皮脂膜に含まれる界面活性剤はもちろん安全ですよね!
合成界面活性剤は?
合成界面活性剤は、戦時中にドイツが研究して作った石油由来の界面活性剤で、安価で大量生産できるため、あらゆるものに配合されています。
洗浄用の最初の合成界面活性剤は、1917年にドイツで石炭から合成されたアルキルナフタリンスルホン酸塩でした。
引用元: 合成洗剤の歴史 石鹸百科より
殆どの洗剤に界面活性剤 が入っているのは、主に洗浄作用を利用して汚れを落とすためです。
化粧品に入っているのは乳化作用のためが多いと思われます。
掃除用洗剤 ・食器用洗剤 ・洗濯用洗剤、シャンプーリンス、ボディソープ、歯みがき粉、化粧品などたくさんのものに配合されています。
石けんの界面活性剤
石けんは「石けん」と「合成洗剤」に大別されます。
「石けん」は、石けん由来の界面活性剤で作られており、シンプルで安全なものとして人気があります。
純石けん、無添加石けんなどと呼ばれますが、合成洗剤でないかは成分をみなければわかりません。
成分は、含有量が多い順に記載されます。
写真の石けんの「石ケン素地」というのは石けん由来の界面活性剤です。
オーガニックや天然成分と謳っていても、日本でオーガニックという言葉に明確な定義は無く、単なる宣伝文句であるものも多いようです。
日本にはオーガニックを認定する法的な基準がない(化粧品には化粧品基準等がある)。国際的な基準に沿って添加物を全く使用していないなどの徹底的な措置を自主的に採っている企業もあるが、添加物を使用しているが、植物由来の成分を使っているという理由だけでオーガニック化粧品として販売しているところなどもある。
「 オーガニック化粧品 」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
2018年5月27日 (日) 05:43 UTC
URL: https://ja.wikipedia.org/?curid=1306580
合成界面活性剤
「合成洗剤」は、石油由来の合成界面活性剤が含まれます。
この合成界面活性剤は、肌に良くない作用をする可能性があります。
洗剤で手が荒れたりするのを思い浮かべるとわかりやすいと思います。
戦後、アトピーが増えたのは合成界面活性剤によるものではないかと言われています。
とはいえ、危険なものは廃止されたり、安全性の高いものも日々研究されています。
石けんも人工的にに作られたものなので、分けて書いていますが、合成界面活性剤と言えます。
「石けん」と「合成洗剤」による 実験動画
ミドリゾウリムシの水槽に「石けん」と「合成洗剤」を入れたシャボン玉石けんさんの実験です。
魚による実験の動画もありますが同じ結果になります。
界面活性剤の種類まとめ
アレルギーなどの疾患を除きます。
◆卵や牛乳に含まれる天然の界面活性剤
安全!
◆人体で生成される生物由来の界面活性剤
安全!
◆石けん由来の界面活性剤
安全とされているが洗いすぎや高濃度の刺激に注意
◆石油由来の合成界面活性剤
肌に良くない作用をする可能性有り(低刺激のものも多いので神経質になりすぎない)
排除ではなく共生
動画をみるとちょっとこわいと思ってしまいますが、合成界面活性剤にも様々な種類があります。
スキンケアの成分表を見て調べても、「殆ど刺激が無く安全性が高い」という研究資料が出てくることが殆どです。
無農薬野菜のみを食して生きていくのは難しいのと同じで、すべての合成界面活性剤を排除するのはとても困難です。
悪いものが含まれてる=全排除ではなく、手荒れ肌荒れが気になるなら手袋をする・使用頻度を下げる・商品を変えてみる、汚れの酷いものはセスキじゃ落ちないから合成洗剤、など選択肢が増えたなら幸いです。
人間の肌はミドリゾウリムシより強いですから、恐れすぎず無理なく 適材適所で取り入れることが大事です。
もし、肌トラブルがあり、市販のスキンケアを全部止めたい(肌断食)!という人は、手作り化粧水を試してみてください!
肌断食をして肌がぼろぼろになったという記事をよく見ますので、防腐剤不使用・界面活性剤不使用の手作り化粧水はおすすめです。
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